㈱中野科研では、教育のための各種教材を企画・製作しています。
「見えないものは、わかりにくい ! 」
いうまでもないことですが、自分の目に見えないものは、わかりにくいものです。
たとえば、ロケット打ち上げの光景は、テレビなどでよく目にします。また、軌道上に投入された人工衛星の想像図やイラストなども、宇宙関係のサイトではよく紹介されています。
しかし、打ち上げられたロケットが、どのような動きをしているのか。また人工衛星が、軌道上でどうやってミッションを開始するのかなどは、それだけではよくわかりません。
また、原子や分子の話は、「見えない世界」の代表格でしょう。学校の教科書には、この「見えない世界」をなんとかわかりやすくしようと、工夫をこらしたイラストが出ています。それでも平面の図解だけでは、専門の研究者や学生には理解できても、子どもたちはもちろんのこと、一般の人たちにもよくわからないのではないでしょうか。
㈱中野科研では、研究者や教育関係の人たちとともに、こうしたさまざまな「見えない世界」をわかりやすくするための教材を企画・制作しています。
Sample 1. ロケットの姿勢
ロケットの打ち上げは、空中発射のような特別のケースをのぞけば、通常は発射台でおこなわれます。その発射台に、ロケットは電柱のように垂直に設置されます。こうした光景を見なれているせいか、ロケットの”上”は先端部であり、”下”は第1段ロケットのエンジンの部分だと思われているのではないでしょうか。
しかし実際には、ロケットも航空機と同様に、X軸、Y軸、Z軸があります。上の図では、アポロ計画のサターンVロケットを示しています。
この図のサターンVを、航空機に置きかえてみるとわかりやすいでしょう。青い軸は、Z軸方向です。つまりこれが上下です。緑の軸は、左右を意味します。こうした図を見ると、ロケットの姿勢も、実は航空機とおなじ表現をされているのがわかるのではないでしょう。
㈱中野科研では、こうしたCG画像も製作しています。
Sample 2.UDMHとN2O4を燃料とするロケットの、燃焼室の構造
これは、推進剤にUDMH(非対称ジメチルヒドラジン:Unsymmetrical
dimethylhydrazine)を、酸化剤にN2O4(四酸化二窒素 : dinitrogen
tetroxide or nitrogen peroxide)を使用しているエンジンの、燃焼室の内部です。
ごらんのとおり、燃焼のきっかけを作る点火プラグがありません。
点火プラグがないのに燃焼がスタートするのは、自己着火性だからです。ようする、
UDMHとN2O4を、それぞれのノズルからスプレー状にして噴出させれば、両者は
触れ合った瞬間に化合し、勝手に爆発します。だから点火プラグは必要ないのです。
このタイプのエンジンは、比推力(クルマでいえば「燃費」です)がとても低いのですが、構造がかんたんなうえに自己着火性ですから、不具合発生確率の低いのが特徴です。言葉をかえれば、ほとんど失敗のしようがない、といってもよいでしょう。
だからこのエンジンがミサイル用だというのは、構造がわかれば理解できます。
㈱中野科研では、各種の資料・データをもとに、わかりやすい画像を製作します。
Sample 4. 水素原子の構造
水素原子は、記号では「H」です。水素原子は、原子の中心である原子核に、プラスの電気を帯びている陽子が1個あります。その周りの、K殻よばれる軌道上を、マイナスの電気を帯びている電子が1個、飛びまわっています。教科書の図解では電子の”動き”は表現できませんが、こうして3DCGにすると、わかりやすくなります。(画像をクリックすると、YouTubeのMovieになります)
Sample 5. 水素分子
水素原子は「H」ですが、これが2個くっつくと、「H2」になります。つまり水素の原子が2個です。この2個の原子は、「共有結合」という状態でくっついています。
「共有」とは、2個の原子がそれぞれの電子を共有することでくっついている、という意味です。しかし、これも教科書の説明だけではよくわかりません。
それを3DCGにすると、このようになります。それぞれの陽子(原子核)の周りを飛びまわっている電子が、となりの原子の軌道に飛びこんでいったり、もどってきてはまた行ったりという動きをくりかえしています。つまり2つの原子は、それぞれがもっている電子を「共有」しているのです。その共有によってしっかりと結びつき、2個の「H」は「H2」になっています。(画像をクリックすると、YouTubeのMovieになります)
㈱中野科研では、こうしたややこしい説明、あるいは図解だけでは理解がむずかしい内容も、さまざまな資料をもとにして、わかりやすい教材を製作しています。